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山行報告


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読み物・エッセー : ペルーのおはなし その5 南米の「治安」
投稿者: admin 投稿日時: 2007-2-7 20:41:17 (1009 ヒット)

その5 南米の「治安」

私が初めて南米に行ったのは1996年の夏だった。
そのころの南米は、内戦やクーデターがあり、軍事政権も普通にあった。アルゼンチンが突如として
イギリスが領有する島々を占領して戦争になったということも衝撃的な事件だった。
何が起きるかわからない地域なのだ。

当時のガイドブックでは南米はどこも「危険地域」を持っていた。
ペルーでも、旅行者が「乗ってはいけない鉄道路線」とか、「近づいてはいけない区域」とかが
詳細に書かれていた。特にクスコやリマの危険な区域は詳細に書かれていた。

旅行者は互いに情報を交換してどんな危険があるのか確かめていた。路上でいきなり殴り
倒されて荷物を奪われた、というのが一番恐ろしい事例だ。カメラは恰好の獲物になっていた。
ガイドブックは、街中を歩くときは荷物を背中ではなく、前にかけろと書いていた。

その頃ペルーではHugimori大統領(スペイン語発音ではフヒモリ)の政権が誕生していた。
彼は内戦状態だったペルーを立て直した。絶望的な貧困状態に少し灯がともるのが見えた、
これから俺たちは稼ぐことができるんだというような、原始的で野蛮な希望の光を感じさせた。
金持ちのツーリストから金を少し取り上げても、それは俺たちの権利なんだ、というような。

私がこれまで訪ねたのは皆貧しい国々だった。
どの国にも泥棒や強盗はいて、旅行するには自分を守る知恵が必要だった。
そういったことをすべて汚らわしいもの、忌むべきものと考えて避けるばかりでは、その国をわざわざ
選んで訪ねる意味がなくなってしまわないだろうか。

結局は、経済の問題なのだ。南米の人々が豊かになれば犯罪も減るだろう。
すると、私のような旅行者は南米に行けなくなる。ポーターも1日25ドルでは雇えないし、
1泊5ドルなどという宿もなくなってしまうだろう。
スイスでスイス人のポーターに荷物を持たせて2週間のトレッキングを楽しむなど、思い及ばないことではないか。

旅行者自身が犯罪から身を守るという考えも必要だ。
日本に戻るとなんと無警戒なことだと思うことがよく見られる。銀行でも大きなスーパーでも、
多額の現金を扱っているのに武装した警備員がいない。その気になればいくらでも奪えるよう
な気がする。外国では入り口を固めるほか、銀行員自身が個別に机にショットガンを立て
かけていたところもある。

日本の店ではおつりはきちんと返ってくるのが当たり前だが、おつりを先に受け取ってから
金を払うようにすることもあった。日本人は簡単に金を渡してしまうから、どこでもいいカモにされている。
日本での常識とは違う考えがあるのだと知っていることが大事だ。
お手本はイスラエルからのバックパッカー達だ。ハリネズミのように警戒心が強くて、
簡単には金を出さない。でも彼らと同じになったらひどく嫌われそうだ。

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