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山行報告


よみもの


読み物・エッセー : ペルーのおはなし
投稿者: admin 投稿日時: 2007-1-15 20:40:45 (892 ヒット)

その6 高度順化

南米に限った話ではないが、海外の山に登るときにもっとも注意が必要なことは、高度順化の知識だ。
ひどい頭痛や吐き気、眠気、倦怠感など、これを経験した人は、その苦しさを経てこそ高所登山の
充実感も味わえるのだ、と思うかもしれない。

富士山に登る人は、8合目あたりから登山者達のペースががくっと落ちるのを見ることだろう。
そして立ち止まったまま眠っているのも見る。
富士山の滑落事故の原因の大きな割合を占めているかもしれない。

高山病は重症になると、もちろん死に至る危険がある。
アンデスでも毎年、ポーターやガイドでさえ、死んでいるそうだ。
まして平地からやってきた外国人が6000mまで登ろうとするならいっそう慎重でなければならない。

ネパールのトレッキングで、同宿したドイツ人が死んだことがある。
屈強の若者だった。一晩中咳をしていた。4000mに満たない地点だ。
先鋭的な日本の登山隊員がカトマンズ周辺のハイキングで死亡した例もある。
高度が低いから、体が丈夫だからと、油断してはいけないのだ。

高山病の原因としては、酸素の不足よりも気圧の低さによるところが大きいそうだ。
それは、交通機関でも起こる。
飛行機の機内食を食べたあとに胃がもたれるのはなぜか分からなかったのだが、
たぶん機内の気圧は地上よりも低く設定されているのではないかと思う。
それに気づいて以来機内ではあまりアルコールを摂らないように気をつけることにした。

リマからワラスに向かうバスも、4500mの峠を越えていく。
これはもろに気圧の低いところを体験させられるのだから、注意しなければならない。
頭痛や吐き気のような症状がでる前に、代謝機能が落ちて食べ物を消化することもできにくくなるらしい。
胃腸薬をしっかり飲むようにして、それはずいぶん改善された。

順化は、薬によって大幅に負担が軽減される。DIAMOXが長い間用いられてきたが、
数年前からGENEPHAMIDEがそれに代わるものとして売られている。
ワラスの薬屋で普通に手に入る。日本でも入手できるのだろうか。この薬で順化能力は倍になるみたいだ。
私の場合特に大きな副作用はなく、指先がしびれる程度だが、これも人によるだろう。
飲まずにすませられるならそれに越したことはない。

昔は、ぎりぎりまで苦しい思いをした方が、早く順化すると考えられていたようだが、今は、吐いたから、
ひどい頭痛に耐えたからって早くなる訳じゃあない、と言うのが常識のようだ。
体験的にも、「苦しい思い」というのは、拷問に耐える政治犯とか、難行苦行自体を求める修行僧みたいで、
それをなしですませるなら、そっちの方がいいに決まっている。

私は毎年出かけていって、毎年高山病を経験してきた。
薬を使うようになってからはあまりひどいことにはならないですんでいる。
もっと前に教えてほしかったよ。

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