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山行報告


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読み物・エッセー : ペルーのお話 その12(最終回) ベタニア
投稿者: admin 投稿日時: 2007-1-4 23:16:41 (912 ヒット)

その12回(最終回) ベタニア

「ぶなの会」の会員なら、この名前を聞いた覚えがあるだろう。
ペルーに行った会員はたいていこの宿に泊まっている。

私は、ここ数年はやはりベタニアに泊まっている。
なぜかというと、ワラスの街のホテルでは、唯一と思われる「台所の使える宿」であることが理由だ。
そのことがなぜ大事かというと、この街では日本人に合う食事をとることが難しいからだ。
自分で料理ができると言うことはかなり重要なことになる。

私がベタニアを知ったのは松島さんから聞いたためで、自分で探し回っていたらたぶん見つけられなかっただろう。
松島さんは、長いことスペインやメキシコを放浪して、ペルーにもほとんど住みつくかのように
年月を過ごしてアンデスの山を楽しんできている。
だから、「自炊できる」宿が必要で、それをリマでも、ワラスでも探し出すことができた。

首都のリマは、往きと帰りにそれぞれ1泊か2泊するだけだが、ワラスでは合計十泊以上することになる。
厳しい山から戻ってゆっくりしたいと思っているのに不快な宿には泊まりたくない。うまい食事で体を休めたい。

ベタニアには気の利くおばさんがいたのだが、昨年から辞めてしまって居心地が悪くなった。
所有者の神父様がきちんと給料をくれないので他の仕事を探すのだ、と涙ながらに話していた。

この神父様が毎年、訳の分からない改造を試みている。
一昨年は写真のスタジオを作るということで、機材を運び込んでいたがそれは半端なまま取りやめになっている。
昨年は食堂を作るという「改造」に取りかかっていた。でも今年も食堂にはなっていない。
今年は屋上に屋根をつけて新たに部屋を作る工事をしていた。
台所も拡張して調理教室みたいなこともやっていた。
建設業者らしきを集めて図面をプロジェクターで映して、なにやら講座みたいにやっているのも何度か見た。

元々は広間にキリスト様の血だらけの像が描かれていて、神父様の別宅にふさわしい雰囲気があったけど、
そこでお祈りを捧げている人を見たことは一度もない。 
無信心の者にとってはただ不気味な絵なのだ。外国人を泊める宿としては、方針が一貫していない。

写真屋なんかやるな、食堂なんかやるな、と思うし、気の利くおばさんにはきちんと給料を払え、と思う。
この2年、おばさんの代わりに、気の利かない怠け者が取り仕切るようになった。
信じられないことだが、宿帳もつけていないから、何泊したかは客に確かめるなどということになった。
預けた荷物が、部屋の鍵がなくて出てこないというのもあった。
シャワーが出ないのはガスのボンベを買っていないからですと説明されたこともあった。

ベタニアの他に、台所が使える宿を見つけられないかと、友人知人に声をかけるけど、宿としては見つけられない。
アパートを借りるしかないみたいだ。

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