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山行報告


よみもの


12月 : 横尾尾根〜大喰岳西尾根下降
投稿者: admin 投稿日時: 2009-2-15 15:31:13 (1702 ヒット)

2008年 12月28日〜31日

横尾尾根〜大喰岳西尾根下降

L,M山H夫、N島N昇、T巳Y郎、M中K哉

■12月28日(日)雪 −3度〜0度(記 N島N)
松本7:50〜中ノ湯8:50〜河童橋10:50〜徳沢12:50〜横尾山荘14:10〜横尾尾根偵察16:50

6時に松本のビジネスホテルで起床。ホテルはさすがに快適でよく眠れた。
松本からバス代より一人当たり500円増しのタクシーで中ノ湯へ。中ノ湯からは長いトンネルをくぐってトレ
ースがしっかりついた雪道を歩く。私的には結構早いペースだったが、それでも横尾への到着は14時過ぎ。

お茶を一杯飲んでから、横尾尾根の偵察に行った人もいたが、偵察部隊が戻ってきたのは暗くなりそうな時間の
16時50分であった。晩はS見パーティと合同で牛鍋をつつく。美味しい牛肉でした。我々はたくさんお酒を
ボッカしていったので、全部飲んでくれるのか心配でしたが、S見Pはほとんど呑んでくれました。M中さんな
んて1.8リットルのワインをボッカして、とてもザックが重そうでした。

■12月29日(月) 晴れ
起床4:00〜出発5:45〜横尾尾根取り付き6:45〜P3P4のコル8:20〜横尾の歯(P6)前12:30〜横尾の歯(P6)終了
15:30〜横尾尾根コル手前P8付近、テント設営16:45〜就寝21:00

■12月30日(火) 風雪(記 辰巳Y郎)
BP7:15〜稜線8:45〜中岳10:20〜大喰岳11:40〜西尾根下降し槍平手前付近15:40

午前5時。横尾尾根P8。雪山の稜線上で初めての朝を迎えた。どうなることかと思ったが、さほどの風も吹かず、
テントがひしゃげることも、不安で眠れなくなることもなく、いつものように朝を迎えた。この日はハムを挟ん
だイングリッシュマフィンなどおしゃれな朝食を頂き、7時過ぎ出発。

前日の晴天と比べると雲が多いが、天気予報が予測していたほど酷い天候ではない。予報から判断して稜線に留
まらず、大喰岳西尾根を槍平まで下りてしまうのが今日の計画である。まず天狗のコルに下り、横尾尾根最後の
登りに入る。前方に天狗のコルで泊まったと思しき先行の一群がいる。かなり急だがアイゼンが良く効き、恐怖
感は無い。

雪山ならではの直線的な急登にいい加減疲れてきたなと思った頃、8時半過ぎ、稜線に辿り着いた。ここでS見
Pと再び合流、握手してメンバーと再会を祝す。しかし、さすがに稜線に出ると風が厳しい。とはいえ、耐風姿
勢でずっと動けないわけではなく、互いの声がもうよくは聞こえない中、慎重に歩を進めていく。

稜線は結構広く、道を間違えやすい。雪庇があるところもあり、あまり端に行かないようにする。中岳を9時4
5分に通過、道を間違えそうになったりもしながら、大喰岳が近づいてきた。風が強く、冷たく、目出帽がガビ
ガビになるが、時々雲が切れて、槍の穂先が姿を見せる。美しく、また今日は一段と凛々しく見える。手を伸ば
せば届きそうなくらい近くまで来た。

しかし我々は11時45分、だだっ広い大喰岳山頂の左端に着き、そこから予定通り西尾根を下り始めた。S見
Pとはここでお別れ、少し後方に見えたので手をふった。あとはひたすら降りる。なかなか森林限界まで辿り着
かない。いつまでたっても風が苦しい。その後、M中くんが一度こけて滑り落ちそうになる。でも、すぐ後ろに
いたN島くんが上手く止めた。何事も起こらなかった。が、その後樹林帯に入るのをあせり過ぎたか、尾根を間
違えて降りていたことに気付き、結局登り返すことになった。うーん、この期に及んで疲れる。喉まで出かかっ
たが誰も「辛い」とか文句は言わない。M山さんを筆頭に淡々と登り返し、分岐に出た。

そこそこ雪が降っており、トレースがはっきりしなかったが、午後3時も近い頃、ようやく飛騨沢が確認される。
あれが正しい大喰岳西尾根下降だったかは良くわからないが、とにかく樹林帯に入り安全圏には入った。槍平ま
で行きたかったが、暗くなる前にと途中でテントを張る。無事横尾尾根を終了し、稜線歩きをして、西尾根を下
ってきた。

この日は食当としてドライカレーを提供した。恐る恐る食べてもらったが大変好評であった。これで実はぶなの
会で初めての食当が無事終了した。ああ良かった。今日一日の満足感と共に、昨日は誰も一滴も飲まなかった酒
が進んだ。

■12月31 雪から曇り −7度(記 N島)
テンバ(大喰岳西尾根末端と飛騨沢とぶつかるあたり)8:10〜槍平小屋9:20〜滝谷避難小屋10:15〜白出ノコルへ
の分岐11:30〜穂高平避難小屋12:20〜新穂高温泉バス停13:00

一晩経つとテンバからの道はトレースが完全に消えていた。沢の本流沿いを歩き、膝までのワカンラッセルとな
る。槍平直前で振り返るとトレースが残っていたので、ちゃんと探せば途中からはあったのかもしれない。
槍平からはしっかりと踏み固められた道。ワカンは要らない。時折、滑りやすそうな下りがあるので、ピッケル
か杖は欲しい。

■メンバーコメント
・T巳Y郎
冬の槍ヶ岳を目指す計画は未完に終わった。一言で言えばそうなるが、槍の目と鼻の先まで到達し、四囲の状況
を判断して大喰岳で西に向かって降りたのは我々である。横尾尾根を完登し誰も怪我無く下山でき、充実感と満
足感は大きい。

それにしても、今回のような長期に及ぶ冬季山行は、ぶなの会に所属し経験豊富なリーダーを得て初めて可能に
なったことである。単独行の限を感じて飛び込んでみた山岳会であるが、皆さんに本当にかまって頂きここまで
の達成をすることができた。勿論気楽勝手な単独行と違って団体行動にはそれなりのルールがあり、覚えておく
べきしきたりもある。そういう諸々が面倒に感じる時があるのも事実であるが、これまで夢にも含めていなかっ
た厳冬期北アルプスへの一歩を記し、自然に対峙して風雪に打たれながら、満足感と共に生きて帰ってくること
ができた。この場を借りて、心からの謝意を申し上げたい。

・N島昇
山行中は皮が剥けた程度かと気づきませんでしたが、後で目出帽から露出した部分の鼻の頭が凍傷になっていた
ことに気づきました。ゴーグルをすると防げるようなので、今後の山行ではきちんと防げるようにしたいと思い
ます。

今回は装備がたくさん壊れました。やはり18年前と大昔の装備ともなると無理があるみたいです。カッパは生
地から駄目になってしまっていて、補修は無理みたいなので、買い替えることにします。
行動食は甘いものばかり持っていってしまったので、飽きがきました。いろんな種類の行動食を今後試してみた
いと思います。

読図も課題だと分かりました。コンパスが不調だったとはいえ、全く位置が分からなかったことが多々ありまし
た。ガスった時の支尾根の下降は勉強になりました。今後はなるべく先頭を歩かせてもらい、ルートファインデ
ィング力をつけていきたいです。そのために普段しっかりトレーニングして体力をつけておきます。今回、アプ
ローチでスピード不足を感じました。

横尾の歯での3時間のビレイ待ちはとても寒かったですが、いい思い出になりました。しかし、これだけ時間が
かかってしまったのはロープワークに問題あるのでしょう。今後の課題です。横尾尾根に登るのなら岩トレと赤
岳主稜のような簡単なバリエーションルートをやっておいた方が横尾の歯も安心してノーザイルで通過できるの
ではないかと思いました。

槍ヶ岳には登れなかったものの、核心の横尾尾根を最後まで詰められたので、大満足でした。晴天あり、寒風あ
り、とても実りの多い山行でした。連れて行って戴いたM山さんには本当に感謝しております。

・M中K哉
ぶなの会に入って2ヶ月弱。今回は初めての冬期バリエーション山行となった。今回経験できて良かったところ
は、まず組織登山として経験豊かなM山リーダーの安全管理技術を肌身に教わることができたと言う点だ。また
個人的にはクラスト斜面で実際に滑落したことだ(滑落停止はできたが)。過信もあって装備重量に対する認識が
甘く足にきていた点。各山行ごとにアイゼンなどの重要装備のチェックを怠り、なんとなく左かかとがアイゼン
からずれるのを抑えるためおかしなフッティングをしてしまったこと。小さなミスの積み重ねが重大な事故を招
くと身をもって理解した。

横尾尾根P8付近のビバークから翌日のエスケープを決定するまでの一連の行動も事前計画通りではなくパーテ
ィとして状況に応じた対応を迫られた素晴らしい体験だった。新穂高温泉に近づき、間近に見える抜戸岳南尾根
でのシュラフごと転げ落ちていったM山さんのエピソードには大笑いをした。

・リーダー報告(M山)
本格的な冬山は初めてという新人三人とパーティを組み、横尾根を登りました。29日は移動性高気圧に覆われ、
快適な登山が出来ましたが、後はおおむね冬型気圧配置が続き、厳しい天候でした。そうした状況で新人三人を
長く行動させることはアクシデントを招く可能性が高いと判断し、大喰岳西尾根にエスケープしました。

三人とも意欲、体力があり、新しい経験を瞬く間に消化していきました。M中君の転倒など、危ういこともあり
ましたが、みんな元気で新穂高に下山したときは、やはりほっとしました。テントの中で、既に夏の山行への意
欲を語りあう彼らを見ると、とてもうらやましく思いました。山登りに夢中になり始めの頃の自分を思い出しま
した。私は、山登りは競争ではないと思っているので、三人が焦ることなく、地道に「自分のペース」で「自分
の山」を広げていってくれることを期待します。

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