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山行報告


よみもの


05月 : 日本オートルート前半(室堂〜薬師岳〜折立)
投稿者: admin 投稿日時: 2008-5-27 21:54:13 (17336 ヒット)

2008年5月3〜6日(土〜火)

日本オートルート前半(室堂〜薬師岳〜折立)

L. MN(記)、S藤N子、M崎Y子

山スキーの滑降を堪能するという意味では魅力的とは言いがたいこのルート。3人とも山スキーの経験はかなり
長いが、この部分をスキー縦走するのは初めて。さてやいかに…。

■5/3(土)快晴 9:20室堂発-10:20一ノ越−13:00獅子ヶ岳-14:00ザラ峠−15:30五色ヶ原小屋着(素泊まり)

同じルートを行くパーティーはいくつかいるに違いないと思っていたが、他は1パーティー(男女の二人組)の
み、ノートラックだった。鬼岳の東尾根を乗越すところは、ツボで30m位登ってやりすごし、トラバースして鬼
岳南東尾根の肩にて休憩。そこから獅子岳基部へは気をつけながら下りも交えてシールで行く。獅子岳への登り
は中腹まではシール。急雪壁はツボで這い上がった。

途中から再びシールをつけ、獅子岳南端よりザラ峠に向かって南西斜面を滑降する。37、8度はあるだろうか。
雪は腐っているので怖くはない。だが自分の落とした雪がざらざら落ちるため、時々斜面の端に逃げ込み、すば
やく安全地帯へトラバースした。

五色ヶ原山荘へは意外と登り返しがあるが、山荘へは疲れもなく着いた。その夜は、富山の山岳会(高岡カラコ
ルムクラブ)の方と一緒になり、おいしいおつまみをいただいた。我々3人とも軽量化にそれぞれ工夫を凝らし
てきていたので、富山の方達のおいしいが重いお酒とおつまみにはただただ感動するばかりであった。





■5/4(日)快晴のち夕方から霧 4:00五色ヶ原小屋出−07:10越中沢岳−11:50スゴ乗越小屋(小屋は埋まって
いる)−15:20 2832m−16:10北薬師2900m−18:25薬師岳2926m−20:00薬師峠よりシール−20:35太郎平小屋着

本日は核心日。自分の予想では18時に小屋かなと思っていた。2時に起床、明るくなるのを待って4時に出発。
越中沢岳ピークまで問題なく進む。こからこの下りが本日の技術的な核心と聞いていたので気を引き締める。

トレースはたまにわずかにへこんだ足跡がでてくるが無いときが多い。ここまでに急雪壁の下降が2箇所ほどで
てくるが雪がやわらかいのでバックステップで問題ない。悪いのは岩峰下東面トラバース。亀裂が入っているの
で、なんともいやな感じだが、意外と雪が落ち着いているので、すっぱり切れ落ちることはなさそうだ。「ダガー
ポジション、キックステップで!」と皆に言って、一歩一歩確実に渡る。



その後の最後の東面縁のきわどい雪は松崎さんが先行する。雪が落ち着いていて良かった、厳冬期なら、ここは
ロープを出したいな、とひとりで思ったりする。その後夏道に出た時点で2人組が先行する。
コルからは我々が長い間先行パーティーとなる。2431mまではつぼ、西面を少し下りた後で2150mまでスキー滑
降を楽しむ。そこからシールを着け、スゴ乗越小屋まで行く。

間山の基部手前では暑さのため、先頭を続けてきたMNは脱水気味となり歩みが遅くなる。(今思えばそれは風邪
のぶり返し始めだった…。)元気なS藤さんに先頭を代わってもらい、ただひたすら北薬師岳に向かって進む。ピ
ーク近くになったところで今度はM崎さんに先頭が代わる。左側の雪屁を踏み抜かぬよう、M崎さんにやや右よ
りのルートをとってもらう。石のでた登山道をシールで登るM崎さんの絶妙な技はすごいの一言である。すっか
りガスがでて、疲れて北薬師岳で座っていたところ、2人パーティーが我々に追いついた。

途方もなく遠くみえる薬師岳をみながら、いけるところまで行こう、他のパーティーもきたしと心強く思いなが
ら、強いS藤さんに一番先に行ってトレースをつけておくようにお願いする。先行したS藤さんを見ると、岩の
付け根でなにやら立ち止まってもの言いたげな様子である。急いで追いついてみると岩場がある。岩場を偵察す
るとゴジラの背よろしくかなりいやらしい。金作谷を見るとトラバース気味に谷に入った跡がある。

そこで「シールを取ってあそこまで滑ってトラバースしましょう!」と力強く声をかけあう。ここから2人組は
我々の先をずっと行くことになる。2人組が通ったトラバース跡を我々が通り、あとはシールをつけて登るだけ、
のはずだったが、MNのシールがつかない!! ガビ〜ンと大ショックを受ける。

ガムテープで応急処置をして、登行器は使わずスキーアイゼンの力で登ることにする。M崎さんとS藤さんに先
に行ってもらい、途中最悪ツボを覚悟しながらそろりそろり歩く。一番の急登のところでぺローンとシールが剥
れたのには、本当に参った。今度は厳重に水分をふき取りガムテープで巻き、スキーアイゼンの力で登る。

なんとか先頭のM崎さんに追いつき薬師岳頂上へ。もう薄暗い。先の2人組がトラバースして薬師岳山荘に行こ
うとしているのが見える。超大急ぎでシールを取りスキー滑走する。暗くなったので視界が利かず、トレースも
よく見えない。山荘前では安全のために夏道とおりにいくことにする。ヘッドランプをつけ、少し歩く。(多分小
屋の裏は雪がつながっていたのかもしれない。)しばらくして進路を南にとり、明るければさぞかし楽しいと思わ
れる斜面をひたすらワンターンずつ進み、神経を使う。薬師平ではもう真っ暗だ。ここまで暗いと度胸が据わる。

念のためここでビバークしても良いけどどうするかメンバーに聞いてみたところ、小屋の明かりも見えるため行
きましょうとのこと。再びワンターン、ワンターン丁寧に滑って樹林帯を抜け、薬師峠に着く。再びシールであ
る。そこからは惰性で歩くのみ。MNのシールも末端をガムテープでぐるぐるつけてなんとか消灯前に小屋にた
どり着く。2人組はとっくの昔についていたとのこと。滑走開始時間差はおそらく15分もなかっただろう。
明るいと暗いとではこんなにも差がつくものかと改めて思い知らされた。



■5/5(月)曇り・濃霧後豪雨
8:00太郎平小屋発−9:20引き返す−10:30太郎平小屋

12時頃から雨だろうと予想はしていたが、登り始めて北ノ俣岳手前2580m付近で既に視界が15m以下のホワイト
アウト、小雨もぱらついてきたし、五郎の小屋を見つけれらない可能性大なので、皆には悪いが引き返すことに
した。寺地山経由で帰っても良いが、タクシーが来るまで雨に打たれながら待つのも良い考えとも思えなかった
ので小屋で素泊まり一泊することとした。11時ごろからどしゃぶりになり、3人とも太郎小屋にいて本当に良か
ったと思ったのであった。

午後になって、一昨日お会いした高岡カラコルムクラブの方々の楽しい宴会に混ぜさせていただいた。折立から
登ってきた同クラブのボッカ成果といえるおいしい牛肉までいただき誠にありがとうございました。
 
■5/6(火)快晴
7:30太郎平小屋発−10:00折立着

昨日高岡カラコルムクラブの会長さんが親切にも折立に下山するパーティーに混ぜてくださるとのことで、あり
がたく一緒に行かせていただいた。折立からはカリカリしていたが、なだらかであるためかなり快適。樹林帯を
右側に下りて沢に入る。沢筋は凍結部分が多く筋力をしばしば使わねばならず、風邪再来中の私にはかなりきつ
く、その滑る姿は婆様のようである。一箇所小さな滝がでているところがあり、親切にも足場を作ってくださっ
たり、下で見守ってくださったり、板を持ってくださったりと、誠にありがたいことである。



最後左の尾根に這い上がって1分で林道である。歩いて3分で折立バス停のところまで行き、荷物がまとめあがっ
たころにどんぴしゃで迎えの車が来た。あまりのタイミングのよさに舌が巻き巻き状態になる。
ロッジ太郎で一風呂浴び、そこからさらに富山の駅まで同クラブの方のお車に同乗までさせていただいたので、
ただただありがとうございますと感謝することしきりであった。

底抜けに明るいお酒の好きな同クラブの方の
「また太郎平小屋に来てください。また山の上で会いましょう。下ではなくてね。」(←富山弁)
という言葉がすがすがしく心に残っている。

皆で力を合わせて行った感のある充実したスキー“縦走”だった。
やはりこの時期のオートルートはやはり予備日がほしいところだ。次回はスキー滑降を楽しむ変化のあるルート
取りを考えたいと思う。あともちろん靴擦れ対策、シール対策、風邪対策は万全にして…。


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