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山行報告


よみもの


01月 : 中ア: 宝剣岳 サギダル尾根,極楽尾根
投稿者: admin 投稿日時: 2008-3-8 3:25:18 (4193 ヒット)

2008年1月26〜27日(土日)

中央アルプス; 宝剣岳 サギダル尾根,極楽尾根

L,A久卓也、S津敦子

ルート :初日: サギダル尾根−サギダルの頭−宝剣岳(ピストン)
          2日目:極楽尾根



最近、伊那谷には縁がある。と言うより、とり憑かれているような気がする。それも公私共にだ。2週間前に越
百山に登ったばかり。仕事では年が明けて3回も伊那に来ている。3日前には伊那まで日帰り弾丸怒られ仕事を
こなし、ソースカツ丼も既に4回食った。そんな中央アルプスに引き寄せられ、今夜も車をぶっ飛ばす。

■1月26日 快晴 風強し
8:12菅の台BC始発バス
9:00ロープウェイ千畳敷駅
10:00出発
12:30サギダルの頭
14:00宝剣岳山頂
15:00サギダルの頭

今回の前泊地は駒ヶ根のローソンP。30秒でビールも買えれば清潔なトイレもある最高のロケーション。テン
トは張らず、レグナムの荷室にシュラフを広げる。思いのほか寒い朝を迎え、すぐにパッキングをし、すきやで
牛丼おしんこセットの朝食。
始発バス、ロープウェイと乗り継げばイッキに2,650mまで瞬間的移動が可能。なんと便利な世の中! 現代文明
の力を駆使し、アッという間に白銀の千畳敷に降り立った。

木曽駒、空木、南駒、越百など、静かで気品のある女性的な山々を従え、宝剣岳がひときわ男性的な荒々しい存
在感で、快晴の空に突き上げている。見ていてとてもカッコイイ山だ。私もあんなふうに、たくさんの美女を従
えてみたいなー。(ちょっと視点が違うぞ)
今日は抜けるような快晴で気持ち良い。稜線には雪煙がみえる。登攀の身づくろいをし、S津さんとひとしきり
写真を撮ってから行動開始。

サギダル尾根はロープウェイ駅を出て左手に見える顕著な尾根。信州駒ケ岳神社の真後ろにそびえ、ギザギザの
宝剣稜線の左端に突き上げるので見栄えも良い。
下部は単調な雪尾根の急登だが、上部には2ピッチの岩場が待っている。



○1ピッチ A久
出だしは簡単だが、半ばに悪い箇所がある。フェースに薄っすら雪が付き、ホールドもとぼしい。わずかな草付
きにバイルを決め、アイゼンスメアリングでだましだまし登る。ナイフリッジの小コルでピッチを切る。

○2ピッチ S津
木がまばらに生えた雪壁から尾根上に上がりこむ。スノーバー、旗竿が引っ掛って大変! 稜線の風を避け、直
下の潅木でビレイしA久を迎え、登攀終了。

稜線に出ると、すかさず木曽側から吹き上げるそよ風が顔を叩く。風を避けコルの吹き溜まりで小休止後、ビバ
ークセットのみ持って宝剣岳の縦走路へ向かう。雪庇はあまり発達していないが、所々亀裂が確認できる。宝剣
までの稜線はナイフリッジと岩場、アイスバーンのトラバースが連続。頂上までは鎖が所々あるが、終始危険箇
所。先週末にはコンテでつながった2名が滑落死するといういたましい事故があっているので、ロープも多用す
るように考えていたが、「ロープ要りますか?」との問にS津さんは「このくらいなら平気!!」とたくましい。

アイゼンさばきは安定しており、岩場で一緒に行動していても不安はない。風もたいした事ないので別にいいか。
結局最後までロープを出す事なく、ピークを踏んだ。頂上は貸切りで、宝剣を取り巻く中アの美女達の眺めがス
バラシイ。特に1つだけ主脈から外れた三沢岳は慎ましい女性の様でひときわ印象的だった。



■1月27日 快晴 無風
4:00起床
6:30出発
8:00登攀開始
11:40三角岩峰基部
12:30F沢下降
13:00極楽尾根終了点
13:45幕場出発
14:30ロープウェイ駅着

テントを撤収し、余計な物はデポして6時半出発。今日もピーカンで風はほとんど無い。万が一ガスッた時の為
に、デポ地から極楽尾根終了点の間に赤旗を立てて出発。F沢の広い斜面を下降する。安全を期してビーコン、
ゾンデ、スコップは持っていったのだが、上部は表面カリカリで一部氷化していて雪崩の心配なし。

150mほどバックステップで下降した為、ふくらはぎがパンパンになる。三角岩峰を真横に見上げる辺りから
雪が緩みサクサク楽に歩けるようになった。尾根末端までは行かず、沢がゴルジュ状に細り、滝になっている箇
所から右稜に取り付く。下降に思いのほか時間がかかってしまい、登攀開始は8時前になってしまった。

○1ピッチ S津
氷化したルンゼからランナウトしながら小尾根に乗り上がる。潅木にかぶった雪がモナカ状でステップが崩れや
すく、ちょっとメンドー。

○2ピッチ A久
ナイフリッジを進んだ後は尾根が広い雪面となる。カンタン。

○3ピッチ S津
引き続き広い雪面を軽いラッセル気味に進み、潅木の生えたルンゼを登高。チョーカンタン。

○4ピッチ A久
第1ピナクル基部を左に回りこみ、スノーバーを支点にセカンドをビレイ。問題ナシ。

○5ピッチ S津
雪壁からコルに上がりこみ、第2ピナクル基部の岩場を1段上がってビレイ。時間ガ気ニナル。

○6ピッチ A久
第2ピナクルの岩場はチムニーの直登か、右から雪壁を巻く。簡単そうな後者を選び、氷化した雪壁のトラバー
ス後、ピナクル上部へ直上。この時点で10:30。モーダメ。

いちいちピッチをきっていたら時間が掛かりすぎるので、先はコンテで進む。その後尾根は細り、ナイフリッジ
の連続で素晴らしい高度感。途中微妙な箇所にはスノーバーを打ち、ランニングコンテとする。間違いなく前半
より難しいのだが、2人の行動に不安感はない。最初からこうすれば良かった。

第3ピナクルは5mの懸垂でコルに降り立つ。この時点で11:30。最終ロープウェイに乗る為にはそろそろ
潮時かなぁ。「時間無いので降りましょう。」「はーい。」S津さんも特に異論はない様子。
残念だけど核心の三角岩峰を前に、ここからF沢へエスケープにかかる。S津さんゴメンナサイ。完全にリーダ
ーの采配ミス。時間配分が甘かった! 今回の好条件だったら、問題なく登破できただけにもったいない。
三角岩峰を右に、高度を維持しながら巻くとF沢のほうが近づいてくる感じ。今朝、我々が下降したトレースに
簡単に降り立つ事ができた。三角岩峰は正面のチムニーが4級でアイゼン登攀では苦労しそう。ただし、右から
であれば簡単に雪壁を巻ける事を確認した。また、途中偵察がてら極楽尾根のリッジ上に復帰してみた。三角岩
峰上部の稜線はナイフリッジと雪壁が続きE沢側はスッパリ切れ落ち、高度感があるが、さしたる問題箇所は無
さそう。



最後はF沢を登るだけだが、間違えて極楽尾根終了点付近に詰めあがる支沢を詰めてしまった。結果的に終了点
にでたので良しとしよう。今日は本当に無風快晴で、厳冬期とは思えない穏やかさ。宝剣のピークに人が立って
いるのがよく見える。昨日と違い、今日の宝剣は少し優しい表情に見える。S津さんと最後に記念写真を撮った
のち、快晴の台地に続く赤旗を回収しながら、静かな極楽平をあとにした。

2日後は、また仕事で伊那谷を訪れ、とり憑かれた様にソースカツ丼を食った。


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